管理会社も窓口担当が変わると、対応が遅くなったり、約束が守られなかったりすることがあります。担当者変更で解決すればいいのですが、管理会社に不信感を持つようなことがあれば、変更を検討するタイミングなのかもしれません。
ただ建物管理もお願いしていたり、契約期間が残っていると簡単に切り替えることもできないように思います。しかし、今後も続く関係性を考えれば、弊社はじめいろいろな管理会社の提案を聞いてみるのもよいかと思います。
弊社では、賃貸経営のサポートをさせていただく際に大事にしていることが、『担当者との関係性』と『営業力』です。賃貸経営は日常的に続くものだからこそ気持ちのよいやり取りが必要ですし、仕事にコミットする『営業力』があってはじめてオーナー様との関係性も強固なものになると考えています。
ウルクルでは『Total不動産』をコンセプトに、賃貸経営をされるオーナー様のご要望の全てにお応えする会社づくりを進めています。そのため既存の管理会社ではなかなかできない「こんなこと・あんなこと」をお聞かせいただきたく思います。ウルクルは汎用的なサービスよりも、オーナー様お一人お一人に合ったサービスのカスタマイズで、賃貸経営をサポートしていきます。
詳しく見る事業承継税制とは、事業承継をする際に発生する贈与税や相続税などを猶予または免除してもらえる制度のことです。
事業承継税制の最大のポイントは「免税」でもなく「非課税」でもなく「納税猶予」だということです。(将来的に免除されることを想定しています)
中小企業庁によって定められた要件を満たし認定されることが前提となりますが、大幅に税負担を軽減させることができるので経営上大きなメリットがあります。
贈与税・相続税は累進課税のため、受け継いだ資産が現金であればそれを利用して税金を払えますが、株式はそのままでは支払うことができません。
場合によっては事業を継続する資金が納税によってほとんどなくなってしまう事態も起こりかねません。
お金の工面が難しい場合や、事業承継に関する苦労が重すぎることで後継者が見つからず廃業になってしまっては雇用が失われてしまいます。
納税負担を軽減させることで、中小企業の継続的な経営を支援すべく設けられたのが事業承継税制です。
事業承継税制においては、対象となる企業や経営者に認定要件を設けています。
まずはそれぞれの要件に当てはまるかの確認が必要です。
【先代経営者の主な要件】
・会社の代表者であったことがある
・贈与(相続)直前で、一族の中で筆頭株主で総議決権数の過半数を保有していたこと
先代経営者から後継者への贈与は、基本的には先代経営者が持つ株の全株を贈与しなければなりません。
また、先代経営者は、贈与時には代表を退任している必要があります。
【後継者の主な要件】
・生前贈与・相続により、筆頭株主となり総議決権の過半数を保有していること
[贈与の場合]
・贈与直前に3年以上役員であったこと
・贈与時に代表取締役になること
[相続の場合]
・相続直前に役員であったこと
・相続開始から5か月以内に代表取締役になること
後継者は、先代経営者の家族や親族でない第三者でも適用可能です。
ただ、家族のときよりも、注意点も多くなります。
また一般措置で納税猶予の対象となる後継者は1名のみですが、特例措置では最大3名まで認められます。
※一般措置と特例措置について
この制度は要件を満たし、認定されて終わりではなく、認定された後でも5年間継続が求められる要件があります。
取り消されると猶予税額と利息の納付が必要になります。
事業承継税制はメリットの多い税制ですが、いくつかのデメリットもあるので注意が必要です。
[メリット]
・事業承継にかかる税金が大幅に猶予・免除される
猶予された税額は後継者の相続発生など、一定の事由が発生することで免除され、将来的に対象株式の贈与税・相続税の負担がゼロになります。
・納付予定だった税金を事業資金に回せる
贈与・相続に伴う現金を準備する必要がなく、事業資金に回すことができます。
[デメリット]
・毎年(または3年に1回)の届け出を忘れると猶予が終了する
最初の5年経過後は継続届け出の提出が3年に1回になるため、失念してしまった場合は猶予期間は終了となり納税が確定されます。
専門家に依頼している場合は別として、大半を自身で行う際は注意が必要です。
・取消し事由に該当すると税額+利子が発生する
無事事業承継税制が開始したとしても、取消し事由に該当すると、これまで猶予されていた贈与税や相続税に加えて利子税も支払わなくてはいけなくなります。
ただし業績悪化などで事業売却・廃業した場合においては、業績悪化後の自社株評価額により再計算されるため、税負担としては軽減することができます。
・専門家の知識が必要
複雑な制度の上自部手続きや準備する書類も煩雑なため、また特例措置の「特例承継計画の提出」においては専門家のサポートが必須になっているため、継続的に依頼をしないといけません。
個人事業主としての事業用資産が対象の個人版事業承継制度もありますが、残念ながら賃貸管理業・貸付業は対象外になるケースがほとんどです。
不動産賃貸業の多くが「事業」と見なされず、対象外となる場合が多いからです。
対象外となるのはどのような場合なのか、適用されるために必要な要件とはどのようなものなのかを解説します。
・原則的に資産管理会社には事業承継税制は適用されません。
事業承継税制が適用されるのは、あくまでも「雇用をもたらす事業」に対してです。
事業実態を伴わない会社、納税猶予を目的として設立された会社に適用するとなると、事業承継を推進するという趣旨からはずれるため対象外になります。
・資産管理会社には「資産保有型会社」と「資産運用型会社」の2つのタイプがあります。
該当する場合には原則として、新・事業承継税制が適用されません。
「資産保有型会社」の定義
「資産保有型会社」とはその名称どおり、保有している資産の7割以上を特定資産が占めている会社と定義されています。
特定資産とは自社の業務で使っていない不動産、株式や国債などの有価証券、現預金、貴金属などのことです。
建売住宅や投資用不動産などの販売用不動産も特定資産に含まれるため、資産保有型会社と判断されると想定されます。
「資産運用型会社」の定義
不動産賃貸業における「資産運用型会社」は直近の事業年度の総収入額に対して、不動産の家賃収入など、資産を運用することによって得た収入の割合が75%以上を占める会社を指します。
賃貸収入は「特定資産の運用収入の合計額」に含まれるので、賃貸収入が大きくなれば資産運用会社と判断されると想定されます。
資産運用型会社で事業承継税制が適用される例外とは?
資産管理会社は原則的には新・事業承継税制が適用されません。しかしいくつかの事業実態要件を満たすことによって適用される場合もあります。その要件とは次の三つです。
①3年以上事業を行っている
相続もしくは贈与日まで3年以上継続して事業を行っていることが新・事業承継税制が適用される一つ目の要件となります。
不動産賃貸業の場合の主な事業は不動産賃貸ということになるでしょう。子会社、グループ企業への不動産賃貸ではなくて、第三者への不動産賃貸を行っていることが要件となります。つまり雇用を創出する事業を指します。
②従業員が5人以上いる
ここでの従業員の定義では親族およびアルバイトやパートなどの非常勤は除外されます。
つまり正規の従業員が5人いることが条件となるのです。小規模の不動産賃貸業を営んでいる場合は、この要件をクリアするのは簡単ではありません。
③従業員が勤務する事業所がある
事業所は所有しているものでも賃貸でも構いません。
ただし、経営者や親族の自宅を事業所として登録している場合にはこの要件を満たしていないということになります。
3つの要件をすべて満たした場合に初めて事業実態があると認められ、新・事業承継税制の適用が可能になるのです。
不動産会社でも実業実態があり、条件を満たせば事業承継税制を使うことは可能です。
ただし贈与税の納税猶予は先代の経営者がなくなるまで一定の要件を満たせばよいのですが、相続税の場合は後継者が亡くなるまで(もしくはその次の代に贈与するまで)は一定の要件を満たし続ける必要があります。
不動産会社ですと数年後・数十年後に売上高や資産に変動があり、「資産保有型会社」や「資産運用型会社」に該当してしまうこともあるかもしれません。
そうならないための方法も併せて検討する必要があり、例えば、納税猶予を適用し続けるために先代が代表取締役を退任・退職する際の退職金を現金ではなく不動産で支給し、そのあと不動産会社に貸し付けて賃貸収入を得れば、退職後の安定収入にもなりますし、結果的に所得分散による節税効果もあります。
相続税・贈与税の猶予期間は長いので、本当に適用するべきか慎重に検討する必要があります。