今回は、テナントリーシングについて振り返りたいと思います。
どんな物件か教えてください
繁華街にある1階で18坪の物件です。
貸主様との出会いを教えてください。
貸主様から「お客さんいませんか?」とウルクルに連絡をいただきました。貸主様も募集をしていたようですがなかなか決まらず、テナントの明渡しが近づいていました。インターネットで事業用の仲介をしている会社を調べられて、ウルクルを見つけていただいたんです。資料を送っていただいたら見覚えのある物件だったんです(笑)。
見覚えがあるとは?
前職で取り扱っていた物件でした(笑)。
不思議なご縁ですね。
繁華街で1階で18坪という人気エリアの物件だったので、すぐに決まるなと思ったんです。ラーメン屋やBARとか需要がすごくありますから。
どんな施策を打ったのですか?
現テナントが退去するまでに決めたいということでした。ポータルサイトに広告を出して、現地看板を貼らせていただきました。
すぐに集客できたのですか?
募集して一週間経たずにお申し込みをいただきました。ネットよりも現地看板からの問い合わせのほうが断然多かったです。ほとんどお断りすることになってしまって、嬉しい悲鳴ではありますけれど。この物件の近くで別の物件も募集していたので、そこに問い合わせて来られた方にも案内できたので、集客は全く困らなかったです。
ウルクルは仲介も管理もやっているから、どちらにもお客様がいるのは強みですよね。
私の前職は貸主だったので、集客は自社でもやっていましたが、自社物件が優先になり、他社物件の仲介はしませんでした。他社物件に問い合わせてきた方に紹介するなんてことは物理的にできなかったですね。それが仲介側になれば、物件があればあるだけ、お客様がいればいるだけご提案ができます。
どんなお客様が契約されたのですか?
飲食店です。
すんなり契約できたのですか?
いいえ。お客様は早々にオープンを希望していましたが、オーナー様は早く入居してほしいけれど業態は気にされていました。事を急いで契約はできますが、入居後に問題が起きては困るので、確認は慎重にしましたね。
お客様は、同じエリアで半年以上物件を探している方でした。商業エリアであってもオーナー様から業態をご理解いただけないとか、なかなか1階は空かないので、空いたとしても申し込みが複数入ると資本で競り負けてしまいます。今回の物件も元々は飲食店が何十年も営業していたんです。
何十年も・・長いですね・・・。今回はどうやってOKになったのですか?
キャバクラや風俗系はNGでした。ただ、飲食店と聞いて契約しても、オープンしたら違ったということがあってはいけないので、既存店舗や内容を見ながら貸主様には判断材料を提供させていただきました。
入居後にもしもが起きたらどうするんですか?
契約書の使用目的に業態を明記して特約を入れますので、違反したら解約事由になります。契約書を元に退去していただくことになりますね。
そうなると申込時点で避けておきたいのではないですか。
そこは難しいところで、貸主様には時間的制約もありました。問い合わせはたくさん来ましたけど、申込に進んでもすぐに契約したいお客様ばかりではありません。お客様にも都合がありますからね。今回のお客様は初めてお会いした時から印象がよかったんです。こちらの求める情報に対してレスポンスも早かったですし、オープンなやり取りからも誠実さが伝わってきました。「ちゃんとやります」と言うだけでなく、行動も伴っている方でしたので、そういったことも貸主様にお伝えしました。
業態を気にされるのはどういう理由でしょうか。
一番は暴力団です。それから1階のテナントはビルの顔ですから、今までとは違うお店になると現テナントさんとの関係性も変わってきたりします。テナント間のトラブルに発展するかもしれません。テナント間のトラブルは原則テナント間で解決してもらうわけですけど、貸主様も全く知らんぷりはできないですからね。
そうなると契約書をガチガチに固めたくなるのではないですか?
貸主様にとって初めての業態でしたので、固い契約書を作ってリスクに備えることもできます。でも借主様はそこまでされると身構えてしまう。だから、双方にバランスがよくなるように細かく情報を確認して微調整をしていきました。貸主様がご自身の設定した条件以外は貸さないというスタンスなら仕方ないですが、そうすると限られた人しか借りられません。
貸主様と借主様が反目したら意味がないですもんね。仲介の腕の見せ所ですね。
幸い既存店があるお客様でしたので、既存店を確認しながら懸念点をしっかりケアしていきました。借主様にとっても商売の生命線になる設備がありますので、貸主様には条件をつけてOKにしていただいたりしました。
仕事を振り返って、心掛けていたことは何ですか。
ウルクル以外にも募集をお願いしているとのことだったので、貸主様から聞かれるであろう質問は事前にお客様には聞くようにしました。その反対もしかりです。何往復もして貸主様に煩わしいと思われないように、最短でいけるようにしました。また業態に対しても不安をできるだけ軽減できるように、情報のクリアさは意識していました。
どういうふうにやったら貸主様にもご理解いただけて、一方で貸主様の主張されることをお客様にご理解いただけるか。伝え方も含めて、もっとスキルが必要だなというのは今回感じましたね。契約も公正証書で交わしたので、時間のない中で進めるにあたって色々勉強になった契約でした。
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今回はテナントの仲介をしたケースを振り返りたいと思います。