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僕がやってもらったことを若い子たちにするのが恩返しかなと思ってます【GARTE代表 ATSUTOSHIさん】

2021.03.26

2021年1月16日に、渋谷区神宮前にGARTE annexをオープンした代表のATSUTOSHIさんにお話しを伺いました。


▼ATSUTOSHIさんが美容師になろうと思ったきっかけを教えてください

年の離れた兄が床屋さんをしていたんです。それが多少影響しているとは思いますけど、そもそも僕の田舎にいい美容室がなくてずっと角刈りだった。『ちょっとだけおしゃれな角刈り』だったけど(笑)、中2くらいから行きたくないと思いまして。親はカットが500円なので行ってほしかったと思うんです。『だったら自分で切ればいいでしょ?』と、中2から高3まで自分で髪を切ってました。


▼中2の時に自分で切り始めたんですね。その延長で美容師の道へ?

思いつくのが美容師や機械系くらいしかなかった。だから美容師やって失敗したら機械に行けばいいやくらいの気持ちでした。それで兄に、「日本で一番カットがうまいお店はどこなの?」と相談したら、『PEEK-A-BOO』と教えてくれた。兄は美容師は体力的にも厳しいから、就職して初めて一人暮らしをするよりも、東京で働きたいなら東京に行ったほうがいいよと言ったので、「じゃ東京行くわ」となって。


▼お兄さんがよきアドバイザーだったんですね。専門学校卒業後、PEEK-A-BOOさんで働き始めてすぐに独立されたとか?

ラッキーだったと思います。サスーンがアイデアを出して日本の企業がバックアップするという当時新しい取り組みだったんですが、そのお店を22歳だった僕に任せてくれました。2年頑張って、24歳の時、自己資金で店を構えましたので、それが本当の意味での独立ですね。

原宿の人気美容室ガルテ

▼24歳でも早いですよね。そして昨年2店舗目を出されたんですよね?

2店舗目は去年の7月に出したんですが、コロナ過で物件がめちゃくちゃ出てきて、その中でも原宿駅徒歩3分、12坪、セット面3つで20万円くらいの居抜き物件がありました。どうせ失敗しても20万だし、造作譲渡もゼロだったので、失敗しない投資だなと思いました。


▼条件的にも無理せずチャレンジできる物件だったと

最初はスタッフの練習スタジオにしてもいいかなと思ったんですけど、どうせ箱があるんだったら、僕が22歳の時に任せてもらったように、若い子に経験させてみるのもいいんじゃないかと思ったんです。僕も当時はクソガキだったんですけど、やっぱりちやほやされると嬉しいわけで、先に役職を与えて後から実力がついてくるみたいな(笑)。

そうやって若いうちから経験させてみるのは海外ならではの視点だなと思って、下の子をバックアップできればと借りたんです。


▼金額的には安いかもしれませんが、そうはいってもお店に立つのは人ですし、人選に懸念はなかったんですか?

代表として任せた人は、僕が撮影のあるときには毎回連れていく側近のアシスタントでした。僕のメンタリズムを一番近くで学んでいる人です。それから代表ともう一人は新卒を入れたんですけど、彼は元々カットが上手だったので、新卒店長として、2人で80万くらいあれば赤字にはならないし、もし赤字になったとしても痛手は少ないからとりあえずやってみろと(笑)。ただ僕は内心では赤字から始まることを覚悟していたんですが、蓋を開けてみれば、初月から僕の想定をはるかに超えた売り上げを叩き出してきて、めちゃくちゃ利益出たんです(笑)。「あれ?」みたいな(笑)。

表参道の人気美容室GARTE

▼責任が成長のきっかけになるということですよね。では今回の物件について伺いたいのですが、弊社はどういうルートで知っていただいたのですか?

GAMOさんからウルクルさんを紹介していただきました。クボタさんと事前に細かく条件面等を打ち合わせして、いくつか物件を出していただきました。その中で2店舗候補があって、ここを内見してすぐに決めました。


▼決めたポイントは何だったのですか?

まず日当たりがよかったです。本店は地下なので、雨の日とかどよんとするんですよ。スタッフのイライラが溜まりやすい環境だなとはなんとなく感じていて。思い返せば僕が22歳の時に任された店舗は日当たりがめちゃくちゃよくて、お客さんも明るくなるような気がして、太陽の光って重要だなと思ったんです。

ただセット面の数は7個だから席単価はちょっと高かったんですよね。でもお客さんはこっちのほうが増えるなと思いました。日当たりとか解放感とか、そういう空間の良さみたいなものを感じました。

渋谷・表参道の人気サロンGARTE

▼2店舗見てこちらに決めたんですよね?

いや、もう1ヶ所は色々あって見れなかったんです。


▼ということは、ここだけで決めたんですか?1分の1?

そういうことになりますね(笑)。でも書類でだいたい想像はつくので、精査して良さそうだなというところだけ行くようにしてます。


▼クボタのサポート具合はどうでしたか?

仕事が早いなと思いました。物件について、たとえばここだったら階段があるから働きにくさはあると思うとか。良くも悪くもちゃんと言ってくれました。


▼クボタとのやり取りで印象に残っていることはありますか?

印象に残ってないことがいいことなんじゃないですかね。全部がスムーズに進むので、これもうちょっとこうしてほしいということがなかったですからね。印象に残ることってだいたい悪いことじゃないですか?もしくはすごくいい人でなんか持ってきてくれるとか(笑)

ハイトーンやデザインカラーが得意なスタイリストのいる美容室

▼店名(GARTE:Give Art Emotional)の由来を教えてください。

僕らはヘアーはアートに近いというか、お客様にはアートの領域まで髪を仕上げて喜んでもらおうよというコンセプトがあります。


▼社員のみなさんに対する思いを教えてください

僕は実力がたいしてなかったのに、上の人が信頼してくれて任せてくれた環境があったから今の僕があるので、僕がやってもらったことを若い子たちにするのが恩返しかなと思ってます。

人を採用したからにはその人のためを考えなきゃいけないし、その人にとっても人生かかってるわけだから、その責任はしっかり果たさないとなと思います。だって、ウチで働かなかったほうがもっと成功してたかもしれないとなったら最悪じゃないですか。その人がうちを選んだことが正解だったなと思ってもらえるようにやるのは僕の義務だと思います。といっても独立当時はできてなかったですけどね(笑)

水色カラーはGARTEにお任せください

▼ATSUTOSHIさんがさせてもらった貴重な経験を、社員にもさせてあげたいという思いは素晴らしいと思います。

でも今年一年は本当に経営者はやるもんじゃないと思いましたよ(笑)。僕はやってきてもらったものを返すという信念があるし、どんな嫌なことがあってもやらなきゃいけないという使命感があるから頑張れる。だから独立したいという人には、経営者じゃなきゃできないこととか、このためにやりたいという信念がないと何かあった時に折れるよと話したりします。嫌なこともたくさん起きますし、試練がたくさんありますからね。ま、でも独立しちゃうんですけど(笑)


▼最後に、コロナによってお客様の変化を感じることはありますか?

遠方のお客様は減りましたね。髪の毛って、めちゃくちゃ重要な人には重要ですけど、1000円カットもある中で、そこまで重きを置いてない人もいて。一番変化を感じるのは、テレワークが増えたことによって、画面でしか見られないから、髪をキレイにする必要がないって思った方もいるんじゃないかと思います。人に見られるから今まで整えていた部分が、見られる必要がなくなったから、美容にお金をかけなくなったというか、髪に対する価値観が露呈したというか。

ただ比較的メンズ市場は影響を受けていないのかなとも思います。髪は1ヶ月で3cmくらい伸びますけど、女性は髪の長い人にとっては乾くスピードはそんなに変わらないですけど、メンズは3cm伸びると乾かす時間の体感は変わります。女性は美容室に来る周期が延びている気がしますね。でも男女ともに美意識が高い人が今は原宿まで来ているんじゃないかと思ってます。



ATSUTOSHIさんは22歳で起業という貴重な経験をされています。早くから店舗運営の責任を預かることで得たものを、今の若いスタッフにも経験させたいと言います。顧客がついてから、準備ができてから起業という一般的な考えがある中で、「とりあえずやってみろ。失敗しても責任は俺が取るから」というのは、若いスタッフには安心材料でしょう。かといってそれは甘えではなく、思い切り打ちこんでみることの大切さや厳しさを教えているようにも思います。どこか子を見守る親のような温かさがありました。そして話は変わりますが、美容師をターゲットにしたラーメン屋をやりたいという発想の面白さを持っていることも、ATSUTOSHIさんの奥深い魅力でした。

原宿のウルフがうまい美容室

GARTE annex
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-10-4 COMS神宮前3・4F
TEL:03-3486-1500
HP:https://garte.jp
Instagram:https://www.instagram.com/hairsalon_garte/
【営業時間】
平日 11:00~21:00
土日 10:00~19:00
定休 月曜日・火曜日