いいものを取り揃えたり、いいサービスをしたり、いい環境でおもてなししたい【The C omotesando代表 保坂 誠一さん】
2021.02.052021年1月5日に、渋谷区神宮前に美容室『The C omotesando』をオープンした代表の保坂誠一さんにお話しを伺いました。
▼はじめに保坂さんが美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。
高校生くらいの時って、髪の毛を染めたくなる時期じゃないですか。当時ロンドンブーツの淳さんの赤髪に憧れてたんです。街の美容室でハイライトをしてくれた美容師さんがいて、その人に憧れたのがきっかけですね。と、これはきれいなバージョンで(笑)、汚いバージョンだと、高校の時、何も考えてなくて専門学校をパラパラ探してたら美容学校があって、じゃあ行くかみたいな(笑)。
▼2バージョンありがとうございます!初めてのカラーはどうでしたか?
こういう職業あるんだなと思って。高校3年生で進路を考えていた時に、僕はサービス業がしたかったんです。飲食、ホテル、旅行とか考えたんですけど、そこそこ手先も器用だから美容師もいけるかと(笑)。
▼それでこの道に?
ハリウッド(美容専門学校)に行きました。卒業後は2社で働いて、35歳の時に独立しました。元々、地元の美容師さんに憧れて入った業界でしたので、まずは海老名にTheC ebinaを出しました。それからCapture ebina、TheC hashimotoと出して、今回で4店舗目です。
▼今回は、エリアや規模などどのような視点で物件を探されたのですか?
お客様に来ていただきやすいエリアを考えて、渋谷から池袋の間で探していたんです。フリーランスのシェアサロンを立ち上げたいなと思ってました。だけど古い物件ばかりで、なかなか条件が合わなかったんですよね。それで違う方向を考えなくちゃと思った時にちょうどコロナになった・・・。指名売上が大きく減ってしまい、『これから自分のやりたいことは何だろう』っていろいろ考えました。
今までは回転率が優先される部分もあって、10人掛け持ちとかもありました。売り上げを上げることは楽しかったけど、僕のお客様も30代以上が多いし、都内にわざわざ30分や1時間かけて来ていただいて、そういう方たちに対するおもてなしは違うんじゃないかと思ったんです。
僕の技術を気に入ってくださって、好きで来ていただけるのはもちろんなんですけど、それプラス居心地も良かったらもっといいんじゃないか。回転率優先はもうやりたくないなと思いました。
それで前に表参道や原宿でやってた時の居心地の良さを、ふと思い出したんです。贅沢なサービスだったり、予約数も減らして接客していくという感じがいいなと。
独立してやるなら、前のお店より規模は小さくなっても、いいものを取り揃えたり、いいサービスをしたり、いい環境で勝負しないと。
▼コロナになって、今後を考える機会になったんですね。
そうですね。それでクボタさんと話して、表参道あたりまで広げようとなったタイミングでこの物件が出てきた。すぐに申し込みを入れて、その後、予約が入ってない時間があったので半休取ってすぐ見に行って、現地からクボタさんに電話して(笑)。その日に、だいたい決まってしまいましたね(笑)。
▼めちゃくちゃ早いですね!
物件はすぐになくなると思ってるので、全て捨ててでも見に行くっていう(笑)。
▼比較物件はなかったんですか?
なかったですね。事前にこういうのがいい・嫌だというイメージをしっかり共有させてもらってました。古すぎたり汚かったり、下が重飲食だとGちゃんが入って来ることあるのでNGにしてたり(笑)。
▼Gちゃんが来たら、いくらサービスがよくても一瞬で引いてしまいますよね・・・。ちょうどコロナの時期にお店作りをされていたと思いますが、資材が入ってこないとか、オープンは予定通りに進んだのでしょうか?
予定通りでしたね。12/31まで働いて、正月休みが4日あって、1/5日にオープンしました。
▼え!?辞めて5日後には新規オープンってすごいスケジューリングですね!
はい、そうです。でも普通じゃないですか?
▼いやいや、転職して別のお店で働くというならわかりますが、仕事しながらお店作るわけですし、予定通りにいかないことが起こりやすいコロナという状況下でのスケジューリングはすごいと思います。まぁ4店舗目ということもあるかもしれませんが・・・。
ところで、他の不動産屋は利用しましたか?
3社くらいは声かけてました。その中でもクボタさんはぶっちぎりでしたね。
▼ぶっちぎりですか(笑)。どういうところが?
僕はせっかちなんですけど、とにかくレスポンスが早い。それから本気で探してくれる感がありましたね(笑)。他の不動産屋さんは、「じゃあ出たら連絡しますね」とは言うもののまず連絡がない。連絡があったとしても僕が既に知ってる物件ばかりで・・・。
だからこれまではネットで探したり、歩いて空き物件を見つけたら直接電話したりオーナーさんに手紙書いたりして落としてきました(笑)。自分が探している大きさはよくわかるので、グーグルマップとか使って探してましたよ。
▼さすが3店舗オープンされているだけあって行動力がすごいです!
クボタさんはとにかく美容室に詳しいですよね。知らない不動産屋さんだと、電力弱いとか水圧弱いとか美容室では使えない物件を紹介してくるんですよ(笑)。絶対契約しないような物件を出してきて、逆にこっちが不動産屋さんに気をつかって見るふりをするとかホント無駄ですから(笑)。
僕もある程度はわかるけど、設備とか専門じゃないから、業者さんを一緒に連れて来て内見しなきゃいけないというのは面倒なんです。
でもクボタさんはそういうのはなくて、これだったらシャンプー台何台いけるとか。設備屋さんなの?と思うくらいだから(笑)、楽ですよね。サクサクしているから相性がいいなと思います。
こうしてほしいなと思うことがだいたいやってありましたしね。
▼逆にダメ出しはありますか?
リアルなダメ出しですか?ないです、ないです(笑)
それこそ物件を探している人を紹介させてもらいたいなと思ってますので。
▼嬉しいお言葉ありがとうございます。では、これから独立や物件探しをされる方にアドバイスするとしたら?
収支がちゃんと合うのかというのは大事かなと思います。いい物件は家賃を上げればいくらでもあると思うんです。それ見ちゃうとそっちがいいなと思ったりしますけど、危ないですよね。
▼危ない経験があったんですか?
チャレンジした時はありました。最悪自分の給料を家賃に回して±0になるくらいだったらなんとかなると思うんです。でもその範囲を超えちゃうと、何かあった時に厳しくなる。そういう危機を感じたこともあって、それからは大きい店舗は本当に実力がないと難しいなと思っています。
最初はこの物件も地下を考えていたんですよ。2階だと賃料もちょっと上がるしどうだろうと。矛盾してるかもしれないけど、見た時に、地下よりも集客力や収益力があるだろうなとか、求人がかけやすいなとか。あとは表参道に店舗があるというとブランディングにもなるので、多面的に考えてこれくらいの賃料は見合うだろうと。
▼マーケティング的な視点も含めて考えるわけですね
もしここが初めてで、他の収益源がなくてここだけでやっていくなら考えられないですね。この店を一人でやってたとしても、他の3店舗の収益でまかなえるので出しているということもあります。
▼今回で4店舗になるわけですからスケールメリットもあるということですか。
そうなんです。売り上げも大事ですけど、実はスタッフから表参道でよかったですという声が結構多くて(笑)。池袋や新宿よりも表参道というロケーションがいいみたいで、遊びに行ってもいいですかみたいな(笑)。
『映え』の時代ですよね(笑)。僕はギリギリここ原宿なんじゃないかなと思ってますけど、表参道と名乗ってます(笑)。
▼それではお店のコンセプトを教えていただけますか?
自宅でも職場でもない第3のとびきりくつろげる居心地の良い場所というコンセプトで、『サードプレイス』であればいいなと思います。店の隣にテイクアウトスペースも作っているので、コーヒーやカフェラテを美容室のお客様にはサービスさせていただいてます。
▼店名の由来を教えてください
The C(ザ・シー)のCはカラーとかカットとか、CANといったいろんなCを含んでいます。美容とも関係している言葉が多いですし、一人ひとりのCをプレゼントしましょうみたいな意味合いがあります。
▼では最後に、これから表参道店をどんなお店にしたいと思いますか
技術はもちろんしっかりしたものを提供し続けたいですが、僕も年齢を重ねていくので鈍ってしまうと思うんですよね。
▼鈍るとは?
古く感じちゃうとか、ヤバいのを作っちゃうとか(笑)。年を取るってそういうことだし、それをカバーしなくちゃいけないから、トレンドを発信できる仲間を集めたいなと思います。
自分が全く新しいデザインを作りだしてというのは今の僕には難しいから、違う方向で考えたほうが、みんな幸せになれるんじゃないかなって思うんです。
▼違う方向とはどういうことですか?
自分がすごくデザインが長けていると思ったことはないんです。ただ8割の人が気に入ってくれるという自負はありますし、そういう技術は今後も身につけようと思います。でも独創的なデザインを発想できるかというとそれはない。飛び抜けている人たちやこの子うまいなと思う人がたくさんいるわけです。そうするとそれはできる子に任せたほうがいいから、じゃあ『僕が出来ることは何だろう』って考えて動くのが僕の役割だと思うんです。同年代の人に対する対応とか知識とか、融合できればいいなと思います。僕が無理に『20代の韓国風』で打ち出したら相当おかしいと思うんですよ(笑)。
保坂さんにお話しを伺っていると、会話のテンポがとても早いなと感じました。ご自身でも『せっかち』とおっしゃっていますが、それはこちらが急かされている感じではなく、乗せられてしまうと言ったほうが正しいかもしれません。スピードやテンポを追求して仕事をしてきたからこそ、そのデメリットも理解されています。遠方から来られるお客様へのおもてなしを考えたときに、ただ早く切るのが目的ではなく、いかにラグジュアリーな時間を提供できるか。併設されたカフェもその一つだと言います。お客様(Customer)に色々なCを提供できるお店として、今後のご活躍を期待しています。
The C omotesando
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-25-3 AG神宮前2F
TEL:03-6812-9958
HP:https://thec.jp
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平 日 11:00~21:00
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