今回は借地権のあるアパートの売却をお手伝いさせていただいたH様ご夫婦にお話しを伺いました。※掲載許可を得ています
ご両親から受け継いだアパートを、この先も継いでいくことは考えらえたでしょうか
私たちは両親が生きているうちから、もう20年くらい管理をしてきました。最初は業者さんにお願いしていたんですが、掃除が行き届いていないと感じることがあり、私たちが代わりに月2回お掃除に行くようになったんです。
引越しがあると捨ててはいけないものを捨ててあったりして、自分の家に持って帰って処分なんてこともありました。雪が降ると決まって凍る場所があったり、台風が来れば大丈夫かなと気になります。主人とはリタイアしたら行くのもいいけど、その頃にはアパートも古くなって手直しもしなくちゃいけない。もし建て替えという話になれば、私たちの年齢も上になってくる。そろそろかなと話していたんです。
ご主人様:2週間に1回行くというのは結構プレッシャーがありました。アパートに行くことを中心に予定を立てないといけなかったり、入居者さんのゴミ出しで近隣の方にご迷惑をかけてクレームいただくこともたくさんありました…。
すぐには行けない距離なので半日仕事になるんです。水道が壊れたとかで直すのはいいんですけど、修繕やクレームの連絡が一時期多かったことがあって、すごくプレッシャーでした。私は自分の目で確認して主人と相談して直したいんですけど、すぐにはいけないのでやっぱり業者さんにお任せしなくちゃいけない。
ご主人様:お任せしている不動産会社さんの見積もりにイマイチ透明感がなかった。「本当にこんなにかかるの?」という見積もりを出してくる時があったんですよ。ある日アパートに行く用事があったので、お願いしたところを見たらやってなかった。そういうのがちょくちょくあって不信感が募っていったんです。
もし売却をお願いしても決まるのは1~2年先になるかなと思って、長いスパンで考えて動き出そうと探し始めたんです。
今まではご両親に家賃が入っていたのがH様に入ってきますから、老後の資金という考え方もできたと思います
管理している不動産会社さんに全てお任せすると何もかもが高いんですよね(笑)。主人は内装に詳しいので、仕上がりに納得いかないこともあって、どうしても目をつぶれないんです。そのうち建物は古くなりますし、お金ももっとかかる。
だったら売却したお金を元手に増やしていくという方法もあるよねと。売却したらその後のことを考えなくて済むというのも大きいですし。今までは両親のアパートのお手伝いだったのが、今後は自分のものとしてやっていかなくちゃいけない。私も他の仕事をしていて忙しい中で、この先どこまで続けられるかなと。
ご主人様:アパートがだんだん老朽化するじゃないですか。直すための資材費や人件費もどんどん上がっていくし、もし売るのであればそろそろ限界かなと。
築40年近いので外装は手直ししているんですけど、内装はリフォームしていても水回りがだんだん怪しくなってきて、総入れ替えしないと無理だという時期になってきていたんです。これからかかる費用や労力を考えると、両親には申し訳ないんですけど、ここらへんで手放そうかと思いました。
20年も管理して来られたご経験あってのことだったのですね。今回お取引は弊社からのDMがきっかけになりました。DMにはいい印象を持たれない方も多いですが、いかがでしたでしょうか
「何で知ってるんだろう?」と思いましたけれど、色々な会社から案内は来ていたんです。母が亡くなったことで不動産の情報がどこかに流れているんだろうなと思っていました。
不動産は所有者が変われば登記を変更する必要があります。その変更があったことは、不動産会社以外でも誰でも知る事が出来ます。ただ、傷口に塩を塗るような側面もあるとは思いつつ、送る文面には出来る限り配慮をしてはいるのですが…
お手紙の内容がとても響いたんですね。今の私の気持ちに寄り添ってくださっているようで。すぐには連絡はしなかったんですけど、他社のものは破いて捨てていましたが、ウルクルさんのだけは取っておいたんです。
それで売却査定をするために不動産会社3社ほどに連絡をして、お見積もりを出していただきました。ただ、その時は心が動かなかったというか。それでDMのことを思い出してウルクルさんにお電話させていただきました。
心が動かなかったというところ、少し詳しく教えてください
ZOOMで話した不動産会社さんは、金額をご提示いただいて、その後、何もなくそれきりでした。他の会社さんにもお見積もりをお願いしましたが、お話しした方と合わないなと思って(笑)。
お電話いただいた時のヤスダの対応はいかがでしたでしょうか
私は正直に全部話していただいた方がお取引しやすいですし、何かよくわからないことがあるとやりにくいなと思うので、その点ヤスダさんはハキハキ段取りよく話されて、きちんとされている方だなと感じました。
まずはお会いしてお話し聞かせてくださいとのことでしたので、日時を決めて気持ちよくスタートさせていただきました。その時に、もしかしたらここにお願いするかも‥というインスピレーションはありました(笑)。
ご来社いただいたときの印象を教えてください
私の不動産屋さんのイメージとは違って、こぢんまりとはしていたんですけど、随分スタイリッシュだなと思いました。『不動産屋さん』っていう感じではなかったですよね。
弊社にお任せいただいて、すぐには売れなかったわけですが、その間のやり取りはいかがでしたでしょうか
2週間に1回連絡いただくというお約束通り近況を報告いただきました。動きがなかったときもちゃんと教えてくださった。見捨てられてないなと(笑)。
売却までの難しさはどんなところにありましたか?
ヤスダ:住宅を売る場合だと、お客様を連れて室内を案内しますけど、今回のようなオーナーチェンジ物件は室内は見れませんのでお客様(主に投資家)も業者さんも自分で見に行くんです。投資物件になってくるので、外観と利回りだけで判断されることが多くて、なかなか次の『商談』に進むことが難しかった。
今回は借地権だったこともあり、世間一般の借地権に対する印象はあまりよくないこととか、築年数で見た時に、手入れされていたぶん近隣のアパートと比較しても綺麗ではありましたけど、価格で折り合いがつかなかったりしました。
難しい中で話が進んだきっかけは何だったのですか
ヤスダ:結果的には隣地のアパートを購入された業者さんが地続きという事で買ってくださったんですが、登記が変わったタイミングで所有者がわかりますので、連絡を取って交渉させていただきました。
そこからは不動産業者同士の話しなので早いですよね。ただ先方の金額査定は少し低いところから来たので交渉したり、H様に細かく報告して、最終的に諸経費を除いて手元に残るお金がこのぐらいですと恐る恐るご提示したところご快諾いただいて(笑)。
3社のお見積もり金額も含めて最終金額にご納得いただいたということでしょうか
2社は同額で、そのうち一社は借地権の売買に強い専門の不動産業者さんでした。この金額ならすぐに買い取りますという話だったんですけど、もう1社の価格が結構離れていたんです。
主人と相談して、急いでいるわけじゃないからもうちょっと探してみようとなって、ウルクルさんにお手伝いいただきました。ヤスダさんがそう言うならとOKしました。
どのくらいの期間で売却できたのですか?
ヤスダ:約5ヶ月です。ただどの物件も長くやることがメリットに必ずしもならないことがあるので、私は3ヶ月くらいをいつも目安にやっているんですが、今回はDMからご連絡いただいたこともあって、私もなんとか期待に応えようと力が入ってしまいました。今日のお話しを伺って、査定金額が高かったからご依頼いただいたのではなかったのだなと。
ウルクルさんという会社とヤスダさんという人とお取引をさせていただいたので、ここは声を大にして言いますので、プッシュしてください(笑)。
契約日のことを教えてください。40年近くお付き合いしてきたアパートを手放す日、押印する時はどのようなお気持ちでしたか
結構震えました(笑)。私は今までに大きな取引をしたことがなかったですし、契約日が偶然にも母の命日だったんです。これはもう母が背中を押してくれていると思いましたね。
最初にお話ししていた価格よりも低くなりましたが、最低ラインは超えなかったのでよかったねって感じです。でもたまに寂しくなるんですよ。私自身も住んでいたことがありますから。
人生の多くを共にして来られたので、思い入れが強くなるのも当然だと思いますし、お母様の命日に手放すというのも何かのご縁のように思います。お墓(ご両親)には報告されたのですか?
先日お墓参りに行った時に「整理いたしました。長年ありがとうございました。これから大切に使わせていただきます」と挨拶して来ました。多分両親は私たちが困らないように残してくれたと思うので、主人とこれからのことをゆっくり考えていきたいと思います。