テーマパークに行くようなワクワクするような気持ちで来てほしい【LAND代表 山本 拓弥 様】
2023.04.132022年1月に、渋谷区神宮前に美容室『LAND』をオープンした代表の山本 拓弥 様にお話しを伺いました。
美容師になろうと思ったきっかけを教えてください
原点は高校生の時に友達の髪を切っていて、喜んでくれたことです。 毎日学校帰りに薬局に寄って、新商品のワックスや化粧水とかを見て、トータルでメイクや髪もやっていけると楽しいなと思いました。ただその時はまだ決心がつかずに建築学校に進学することにしました。
建築学校ですか?
実家が代々続く大工なんです。僕は建築も好きなんですよ。ただ3年くらい経ったときに、やっぱり美容が好きだなと思ったんですよ。美容の道で喜んでもらえるのが自分の道ではないか…。どうしても美容師になりたい気持ちが捨てきれませんでした。
当時アパレルでも働いていたのですが、ほとんどお休みなく働いて学校に行くお金を貯めていたので、親もわかってくれて、どうせやるなら一番を目指したいと東京に行きました。夜間の美容学校に行きながら、早く進みたい気持ちで昼間は美容室で働いていました。
美容学校では理想と現実はなかったんですか?
今までは美容がやりたいのに、美容の道にすら乗ってないのが嫌でした。だから入学初日は、追い続けていた夢の入り口にようやく立てことに感動したのを覚えています。昼間働きながらの夜の授業はしんどかったですけど、覚悟して行ったので2年間皆勤賞でした。
卒業後はどんな感じでお仕事を?
最初の美容室は2年勤めました。誰よりも練習しようと頑張っていたら腱鞘炎になり、腕が動かなくなって辞めざるを得なかった。せっかくここまで来たのに、美容師ができなくなったらどうすればいいんだと悩みました。病院では「手術するしかない」「後遺症が残るかもしれない」と言われました。
美容師生命を絶たれる危機があったんですね
結局手術はせずに、整形外科や接骨院でリハビリをしたり、代謝をよくするためにトレーニングしたりしました。どうにか今できることをやろうと必死でした。ちょっとずつよくなってはきたのですが、また美容師をやって再発しないかと怖かったですね。
でも美容をやりたい気持ちがなくなることはなく、ゆったり働けるお店に入りました。しばらく働いた時に、雑誌の撮影やメイクをやりたかったことを思い出したんです。
高校の時の想いですね
みんなが知ってる美容室はどんな感じなんだろうと、有名店巡りをしました。その中で某有名店に行ってお店の人と話しをした時に、夢があるなと思ったんです。自分の目指すものがあるんじゃないかとワクワクしたんですよね。 それで履歴書を持って行ったら、「ウチは厳しいし、大変なこともいっぱいあるけど、それでもやっていく覚悟はある?」と聞かれました。
自分の腕が壊れるかもしれない…。でもこのままのらりくらりやっているより、人生の賭けだという気持ちで「覚悟はあります」と返事をしました。
腕は大丈夫だったんですか?
正直すごく怖かったですが、ちゃんと腕の状態に向き合いながらやったので再発はしなかったです。26歳で入社してめちゃくちゃ頑張りました。社内コンテストで1位を獲ったり、雑誌や撮影の仕事もさせてもらったりして、その美容室のみなさんには本当にお世話になりました。
独立しようと思ったのはいつ頃ですか?
美容師になると決めたときに「いつかは」という気持ちはありましたけど、まだ早いと思っていました。そこに入って7年くらい経って、そろそろ一歩踏み出そうと思って、一度フリーランスになったんです。
お店を出すなら地元に出そうと思っていましたし、原宿は競合も多いので考えていませんでした。でもフリーランスで3年くらいやったときに、自分一人でできる範囲に限界を感じたり、今までお付き合いさせていただいたお客様を置いて地元で独立するのもどうかと思ったんです。お店を作って、スタッフを育てて、そこから将来のことを考えようと思いました。
お客様のことを考えて、東京でお店を作ろうと思ったんですね。エリアや規模など、どのような視点で物件を探したのでしょうか。
最初は「表参道」「渋谷」「新宿」という広い範囲で探していたんですけど、よくよく考えると原宿っていい街だなと思ったんです。毎日お祭りみたいじゃないですか。新しいものもたくさんあって来るたびにワクワクする街なんじゃないかって。
なかなか原宿に来ない方もいるので美容室に来るのと同時に楽しんでもらえらたなって。あとは家族連れの方も多くて、治安もいいなと思いました。それで原宿をひたすら歩いて、駅チカで日当たりのいいところを求めて探しました。
日当たりですか?
かわいく写真を撮れる場所を作りたくて。日当たりがいいと自然光でいい写真が撮れるんです。だからコンパスを常に持ち歩いて方角を見たり、窓の方向や大きさも気にしてました。実はフリーランスの時に1年くらいお客様にアンケートを取っていて、それを形にしていったんですよね。その中の一つでもありました。
原宿にしようと決めてからは、空いた時間を全て使って道という道を1本残らず歩いて見たと思います。 それでようやく見つけた物件があったんですけど、ダメになってしまって。
何があったのですか?
不動産会社とのやりとりがうまくいかなかったんです。半年費やしたので結構ショックでしたね。ちょうどその頃にクボタさんとナカゾノさんに出会いました。ウルクルさんの物件に問い合わせをしたんです。
二人のサポートはどうでしたか?
他の不動産屋さんにも問い合わせはしてましたけど、最終的にはクボタさんたちにほとんどお願いしました。一番は人柄がよかったことですね。仕事とはいえ真剣に対応してくれましたし、ビジネスライクというよりは、僕のことも考えてくれているのかなと、お話ししてみて感じました。
やり取りで印象に残っていることはありますか?
内見に行ったときに、オーナーさんとコミュニケーションを取ろうとしてくれたりとか、僕ができないことをやってもらえるのがありがたかったです。僕が直接話せるわけではないので、僕の気持ちをうまい具合にフィルターをかけて、話が円滑に進むように話してくださったので、安心して任せられました。物件のオーナーさんがOKしてくれないと入れないわけですからね。
オープンまでに大変だったことは?
いっぱいありますね(笑)。ミーティングをたくさんさせてもらいました。内装にはこだわりたかったので、参考になるカフェを巡ったりホテルを調べたり。お客様にもたくさんおすすめのカフェやかわいい内装がある場所を聞いて参考にしました。
お店のコンセプトは?
みんなが楽しく集まれる場所になればと思っています。どこで写真を撮ってもかわいいように、全部が撮影スポットのつもりで作りました。ランドという名前にしたのも、テーマパークに行くようなワクワクするような気持ちで来てほしいからです。
オープンされてどうですか?
どこでやっても基本は一緒だなと思います。フリーランスでも独立しても、自分のお店にお客様が来てくれるのがすごく嬉しいです。僕のお店かもしれないけど、僕一人で作ったお店ではなくて、たくさんの人に支えてもらってできたお店だと思います。人との縁で成り立っている感じがしますね。
声かけてくれる人や応援してくれる人たちがいっぱいいて、そのおかげで頑張れるし、温かい気持ちになれます。僕もそういう気持ちで接していけたらいいなと思っています。
ーインタビュー後記ー
インタビュー中に山本さんから出た「かわいい」の言葉の多さに驚きました。かわいくなったお客様をすぐに撮影できるようにスタジオを作られたり、またお店のどこで撮ってもかわいく映るようにと、インテリアや内装もこだわっていらっしゃったり。お客様をかわいくすること、かわいくなったお客様が喜ぶことを心からやりがいにされているようでした。また、部屋も半個室なので、隣を気にしなくてもいい造りになっています。これからも『かわいくしてくれるスタイリスト』という独自路線を突き進んでほしいと思います。
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