「不動産の購入には瑕疵保証があると聞いたけれど、どんな保証?」
「買った家にあとから欠陥が見つかった、この場合瑕疵保証は受けられる?」
住宅の購入で、そんな疑問を持っている方も多いでしょう。
不動産の「瑕疵保証」とは、「住宅や土地を購入後に、事前に知らされていなかった瑕疵=欠陥や不具合が見つかった場合、売主が買主に対してその補修費用や損害を保証する」というしくみです。
たとえば、家を買う際にはなかった水漏れがしばらくしてから発生した場合や、耐震構造が基準を満たしていないことがあとでわかった場合などは、一定期間内であれば、売主が補修費用を支払ったり損害賠償をする必要があるのです。
瑕疵とは、本来あるべき、または備えられているべき機能や性能要件が満たされていない不具合や欠陥のことです。
〇隠れた欠陥とも呼ばれる「物理的瑕疵」とは
物理的に重大な欠陥があることを言います。
土地の場合ですと、地盤が歪んでいる、地盤沈下、土壌汚染、土地の境界が曖昧など。
建物の場合では、雨漏り、ひび割れ、耐震強度が基準を満たしていない、シロアリ、アスベスト、床下浸水、その他建物の構造上における欠陥などが挙げられます。
購入段階では気がつかず、購入し生活してから気がつくような内容が多いため、隠れた欠陥とも呼ばれています。
〇精神的な影響を及ぼす「心理的瑕疵」とは
過去に起きた出来事の内容で嫌悪感を持つ物件のことです。
事故物件という言葉のほうがわかりやすいかもしれません。
過去に自殺があった、殺人事件があった、事故・事件により死亡があった、発見が遅れて遺体が腐敗していた、周りで事件や事故、火災などがあった場合です。
その他には環境的瑕疵・法的瑕疵などがあります。
瑕疵担保保証に該当するのは「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」、つまり1つめの「物理的瑕疵」です。
売主は買主に対して、事前に瑕疵の内容を伝え、了承を得る必要があります。
もし、瑕疵の内容を伝えず、契約後(購入後)に買主が知らない瑕疵が発覚した場合は、売主側は瑕疵担保責任を負う必要があります。
瑕疵担保責任とは、瑕疵の修復に対する費用を売主側の責任(負担)で修復しなくてはいけないということ。
瑕疵担保責任は期限(保証期間)があり、保証期間は売主が不動産会社なのか個人なのかで変わります。
〇売主が不動産会社の場合
新築の場合、品確法が施行されることにより建物の基本構造部分や雨漏りを防ぐ部分については、10年間の保証が義務付けられています。
中古の場合、宅地建物取引業法上、瑕疵をいつまでも請求できる期間があるというのはあまりにも売主業者側に負担がかかるので、最低2年間が保証期間となります。
〇個人間売買は3ヶ月が売主負担
不動産の取引を個人間で行う場合は、(一社)不動産流通経営協会の標準売買契約書では保証期間は3ヶ月となっているため、一般的には3ヶ月が多いです。
買主が売主に対して請求できるのは修復における費用であり、契約自体の解除はできません。
3ヶ月を過ぎた場合は、買主側の負担で修理することになります。
しかし、売主に補修するだけの資金力がない場合も考えられます。
瑕疵保険に加入していると、売主が支払うべき損害賠償などの費用を支払ってもらうことが可能です。
そのため、「補修ができないような事態」になることはありません。
【瑕疵保証のメリット】も参考にしてください。