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お客様に『急がされてる』と感じさせないように

2023.08.10

今回は賃貸のお部屋探しを振り返りたいと思います。

お部屋探しの背景にはどのような理由があったのでしょうか?

お客様のお仕事柄職場が複数あったので、アクセスがいいことを第一条件として探し始めました。更新が4ヶ月後に近づいたことが引越しのきっかけだったんですが、住んでいた物件は特に大きな不満もなく利便性もよかったんですね。だから引越さなくてもいいけど引越したいみたいな(笑)。環境を変えたいという気持ちがあったようです。

でも職場同士が近くないので、広範囲で探すことになったんですが。

広範囲になると物件探しが難しくなりませんか?

お客様が目星をつけていたエリアは相場を調べると、周辺環境は変わるけれど今住まれているお部屋と条件があまり変わらず、比較して引越す理由があまり見当たらなかったんですね。今のお部屋が収納量多めで、お持ちの荷物が入りきる物件がなかったということもあります。そこでエリアを変える提案をして色々物件を見て回ったんですが、どの物件もマイナスにとらえる部分が必ずあって、今回は引越さなくてもいいんじゃないでしょうかとも話しました。

なかなか見つからない時はタイミングじゃないとも考えられますよね

引越しも結構お金がかかりますし何度もやり直せるものでもないので、それもひとつの提案だと思っています。その後『またいい物件があればご紹介します』という流れになったんですが、お客様の解約予告期限が迫ったある日、連絡があってやはりこのタイミングで引越したいと。

お客様に何か心境の変化があったのでしょうか

そうなんです。ご事情があって。それで引越すと決めたら今回は期限が迫っているので『もっと条件に合う部屋が出るまで待つ』という訳にはいかず、今募集している物件から選ぶしかないので急いで話を進めなければいけませんでした。

急展開ですね。しかも解約予告期限が迫っているという

これまでにお客様とは一緒に内見もしているので、お部屋に関しては図面を見ただけである程度イメージを共有できるようになっていました。2回目はエリアを絞ってのご相談でしたので、すぐに募集中の物件を洗い出し、Google Earthの3Dで日当たり具合や周辺環境、駅までの道のりを確認したりして、10件ほどの候補から2件までに絞りました。

私の感覚ですが、2件のうち1件の物件はすぐに申込みが入って入居者が決まる感覚がありました。

すぐに決まる感覚とは?

募集条件の内容も気になるところはなかったので、相場の中では築浅で好条件。内見した人は高い確率で申し込む部屋だろうと思いました。募集していた部屋は居住中だったんですが、内見できるようになるのは今のお部屋の解約予告期限の数日前。内見してから申し込むという時間がなかったんです。それと同じマンションの他の部屋も募集していて、同じく居住中だったんですが契約予定だったんですね。

そういう状況だとお客様がいいなと思う物件を『早く決めないとなくなってしまう』という私たち仲介側の気持ちが出てくるわけですけど、お客様が『急がされてる』と感じさせないようには気をつけていました。

お客様に『契約させようとしているんじゃ・・・』みたいに思われるのは仲介としてはダメですよね

はい。ただお客様はこれまでも『いいな』と思う物件が既に申し込みが入っていたという経験もされていました。現地の外観から見たりネットで情報を集めて気になっていたポイントを確認後、未内見ではあったけれど申し込みをしたんですよね。

前回、内見したけれど申込みを見送った物件も、内見後に申込みが入ったという情報は共有していたので、『自分が迷っている間に誰かが申し込む』という感覚を持たれていたと思いますし、今回の未内見申込みの後押しになったのではないかと思います。

物件を絞り切った上でですからね。あとは机上の情報が正しかったのかを内見して確認するだけですが

ネックもあったんです。ベランダの目の前ではないですが少し先にはタワーマンションがあって、そのベランダからこちらの部屋が丸見えになることが考えられました。ただ何度か現地に行って、お部屋のカーテンがいつも閉め切りだったので、それならこちらがカーテン開けっ放しでもいけるかもと(笑)。

タワーマンションの南向きのお部屋はカーテンしてないと日が入り過ぎて暑いので、ごくありえる状況です。今回のお部屋は北向きだったので明るさが確保できるのかが気になっていたので、それならば解消できそうですねと。

向こうのマンションは南向きでこちらが北向きということですね

私は直射日光が必須の人でなければ意外と北向きのお部屋もおススメしています。直射日光が入らないので目の前の景色が良ければカーテン開けっ放しで外を眺められます。以前北向きでしたが目の前にスカイツリーのよく見えるお部屋で、南からの直射日光に照らされたスカイツリーが綺麗に見えるお部屋で、とても気に入っていたということもありました。

そもそも東京は建物が多いので、北向きでも建物に反射した光が多方面から入ってきます。家具も日焼けしにくいし、景色もよく見える。その上、まだまだ南側の方が人気ですから多少北向きの方が賃料安かったり。お部屋の向きもありますが、窓の大きさや周辺環境も重視して紹介しています。

表面的な条件の良さよりも、お客様の生活に合ったお部屋を一緒に考えるということですね

『条件』という目につきやすいところを優先し過ぎると住んだ後に困ると思うので、お客様の仕事や生活をちゃんとイメージして、ここは困るんじゃないかというところだけは絶対に抑えなきゃいけませんよね。今回もいくつかそういう部分はありましたけど、本当に納得して決めてもらうことが大事だと思うので、解約予告期限が近づいても慌てずにお客様に合った物件を決めていただけたのは、プロセスをひとつずつ辿ってきたからかなと思います。