2021年10月に、中野区本町にかたぎり塾(パーソナルトレーニングジム)新中野店をオープンした代表の加藤平太様にお話しを伺いました。
▼パーソナルジムを立ち上げるきっかけを教えてください。
小さい頃から運動が好きでした。一番長いのはテニスですが、社会人になってからもマラソンをしたりジムに行ったり。
健康やヘルスケアに興味があったので、大学では薬学部に入りました。薬学の知識を活かしてメジャーなプロテイン開発をしたいなと思い、新卒でサントリーに入社しました。会社にはプロテインをやりたいと話していましたが、何年先に実現できるかはわからなかったんですよね。
▼大企業だと、やりたいことがすぐできるかといったら難しいですよね。
早くフィットネスやヘルスケアの領域に行って、人の健康に携われるようなサービスの提供をしたいなという時に、かたぎり塾の片桐さんとお会いしたんです。片桐さんのビジョンとかパーソナルジムの現状を聞いていると、自分のやりたいところとフィットしているなと感じました。だったらまずはトレーナーを経由して、この事業をするのもいいなというのがスタートです。
▼研究開発ではなく、加藤さんご自身がトレーナーとしてサポートする仕事に就いたというところが興味深いです。
もともとトレーニングは好きでずっとやっていましたし、資格を取ったりもしていたので下地はありました。ただずっとトレーナーをしようとは思っていなかったので、すぐに独立して店舗出して資金を貯めて別のサービスをやろうとは考えていました。
▼安定がなくなることに不安はありませんでしたか。
全くなかったわけではありません。ただ失敗して全財産なくなったとしても、年齢的にも再就職できるだろうと思いましたし、若いうちなら多少コケても大丈夫かなと思ってました。
▼全財産失くなってもという気持ちがあったのがすごいですね。失う怖さをまだ若いからと割り切れたのも勇気あってのことだと思います。退職が決まってどんなプロセスで起業されたのでしょうか。
サントリーを辞めて、まずはかたぎり塾のフランチャイズオーナーに雇用していただいて、トレーナーとして働きました。でも想像以上に大変でしたね(笑)。指導の仕方についても体力的な問題も。一方でやりがいは思っていたよりもありました。
▼どんなところがやりがいなんでしょうか?
これまではお客様の声が直接届くところにはいませんでした。しかし今はお客様とFace to faceなので、案内から始めてサービスを提供して、それに対してお客様からフィードバックをもらえるというのは、自分の成果が生の声として反映されるなと思います。
でも同時に、どれだけトレーナーとして頑張っても月に50人くらいしか見れません。影響力をもうちょっと出したいなと思いまして、自分で店舗を増やしたほうが間接的にでも影響力を高められるなと思いました。早い段階からフランチャイズという選択をして、自分で起業してしっかりやっていこうと思いました。
▼そこでハセガワと出会ったんですね。エリアとかこだわりとかどんな視点で物件を探されましたか?
エリアの出店ノウハウはかたぎり塾が持っていましたが、私にとっては1店舗目なので初期費用は抑えたかった。相場に比べても安い価格帯のエリア・物件を見ていって、最終的には木造にしました。
パーソナルジムにはベストではない環境でしたが、かたぎり塾はそんなに音が出るスタイルでもないし、初期費用押さえながらも成功すればいいとハセガワさんに相談しながら見つけていただきました。
▼とても大事な視点ですよね。ファーストステップとして小さくても成功する。気持ちばかり焦って背伸びしてオープンしても、うまくいけば得られるものも大きいですけど、うまくいかなかったときは失うものも大きいわけですから。その塩梅をうまくされたのかなと思います。物件探しで困ったことはありますか?
なかなか希望に合う物件がなかったですね。住むところの賃貸は経験があるんですけど、テナントとなると全然違うなと感じました。付加されるお金も結構大きいですし。ただ1店舗目はかなり安くできたので、それもハセガワさんのおかげですね。
▼物件を決めたポイントは?
エリアの世帯数とか需要とかの最低限満たしたい条件をクリアした中で、初期費用が安めにできる物件だったことですね。最初は中野坂上で探していたのですが業種でNGになってしまい、近いエリアで新中野になりました。
▼物件探しの時に他の不動産会社を利用しましたか?
してないですね。ハセガワさんはパーソナルジムを専門的にいくつも立ち上げている実績がありますし、かたぎり塾本部からの信頼もあったというのが大きかったですね。
▼オープンまでに大変だったことはありますか?
手続き関係ですね。個人事業主として立ち上げて従業員さんを一人雇う形だったので、雇用保険の設置届とか素人でしたので戸惑いました(笑)。従業員さんには入社してから保険証を渡すまで時間がかかってしまって申し訳なかったです。
▼ハセガワとのやり取りで印象に残っていることはありますか?
とにかくレスポンスは早いです。ラインでやり取りさせてもらってますけど、私の職業柄土日に連絡することが多いんです。いつのタイミングでもすぐ返ってくるので安心感につながりましたね。
▼1店舗目を出されて、すぐに2店舗目も出されたようですね。
1店舗目(新中野)は昨年10月にオープンして、2店舗目(旗の台)は7月から入居です。
▼2店舗目はどのくらいの期間探したのですか?
探してた期間は1ヶ月くらいですかね。
▼それは早い!もしかして次もあるんですか?
3店舗までは出そうかなと思っています。それが終わったらパーソナル以外の事業をしたいですね。プロテインの開発もしてみたいなと思ってます。
▼プロテイン開発ってできるんですか?
自分で試薬を決めてやるのは限界があるので、OEMの会社に委託して中身を作ってもらうのを考えています。
▼ところでなぜプロテイン開発をされたいのですか?
プロテインは3大栄養素のひとつで『たんぱく質』です。日本人はお米文化なので、炭水化物は取ってもタンパク質の摂取量が少ないんです。炭水化物や脂質は食欲を増しやすい栄養素なので、摂取し過ぎると肥満の原因になります。
でもたんぱく質は同じカロリーを取っても食欲がすぐに満たされるんです。バランスの良い食生活を意識をした時に、日本人にはもうちょっとたんぱく質を取ってほしいなと思うんですよ。
炭水化物も脂質も取っていいんですけど、食生活的にタンパク質を取るのが難しい人には身近に摂取できるような環境を整えたいなというのがありますね。
▼たんぱく質は意識しないと摂取量が少ないかもしれませんね。
ダイエットについて言えば、食事制限とかマイナスなイメージがあると思うんですけど、満たすのって大事だと思うんです。例えば今の食生活がいびつな栄養バランスであるならば、足りない野菜やたんぱく質を取り入れることで、とんがってるところを戻すほうが個人的には健康的なダイエットになるんじゃないかなと思います。
▼日本人の食生活バランスを整えていきたいということですね。さて、これから独立される方にアドバイスするとしたら?
物件はタイミングが命かなと思います。100%条件に叶う物件に巡り合うことってなかなかないと思うので、初めて起業する人はそれを追い求めるところがあるかもしれません。ここはいいけどここは悪いからちょっと考えようという間に他の人に契約されてしまったりするので、自分の中で妥協点を見極めたうえで数を当たっていくことでしょうか。
▼初めての起業だと100点を求めてしまうかもしれませんね。思い入れも相当ですし。
それでスタートがどんどん遅れてしまうとその人のためにならないかなと。自分が大丈夫だと思っているビジネスモデルを持っているのであれば、ある程度広い範囲で探してもいいんじゃないかなと思います。
▼うまくいったら広げていけばいいですしね。時間のかけ方も重要ということですよね。それでは最後に加藤さんの夢を教えてください。
日本はまだアフターファイブや金曜の夜は飲み会みたいな空気があります。「ジムに行きたいので」と断るととしらけた空気が流れることもあって(笑)。フィットネスが広がらない理由の1つになっているんじゃないかなと思います。
これは自分のエゴなんですけど、もうちょっと気軽にアフターファイブにテニスとかフットサルとかできるような世の中になったら生きやすい日本になるなと思っていて、それに近づけるような仕事をしていきたいなと思います。
ー編集後記ー
加藤さんの根底にあるものは自己実現と合わせて社会実現のように感じました。アフター5の時間は夕飯時というのもあって、飲食が中心であることは仕方ないとしても、選択肢があってもいいんじゃないかということだと思います。都心ではスポーツするにも飲食並みにお金がかかるので、気軽にできる世の中になるといいなと思います。そして加藤さんの開発するプロテインをぜひ飲んでみたいものです。
かたぎり塾 新中野店
東京都中野区本町4丁目21-8 八木ビル1c
TEL:03-6451-3959
HP:https://katagirijuku.jp/gyms/shinnakano
【営業時間】
10:00~22:00(月~金)
9:00~21:00(土日)
かたぎり塾 旗の台店
東京都品川区旗の台2丁目9-19 ヒルフラッグ中島2階
TEL:03-6451-3959
HP:https://katagirijuku.jp/gyms/hatanodai
【営業時間】
10:00~22:00(月~金)
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