物件管理

PROPERTY MANAGEMENT

はじめての賃貸経営|オーナー業とは何をするのか?

「不動産投資で家賃収入を得たい」「相続したアパートを活用したい」——そんな理由から、これから賃貸経営を始めようと考えている方は少なくありません。

近年は副業や資産形成の手段として「不動産投資」「オーナー業」が注目されていますが、その実態をよく理解せずに始めてしまうと、後々トラブルや赤字に悩まされることになります。

賃貸経営は「家を貸して家賃をもらう」だけの簡単な仕組みではありません。オーナーは入居者募集から契約、家賃管理、建物の維持管理、税務申告まで幅広い業務を担う“経営者”です。

本記事では、これから賃貸経営を始める方に向けて、オーナー業の全体像を整理し、基本的な役割や流れを解説します。

● 賃貸経営とは?

賃貸経営とは、不動産を所有し、それを入居者に貸し出して家賃収入を得る事業です。
「不動産投資」と呼ばれることも多いですが、実際には単なる投資というより「経営」に近い性質を持っています。

・賃貸経営の収益モデル

* 収入

* 家賃
* 共益費
* 更新料
* 礼金(初回のみ)

* 支出

* ローン返済
* 固定資産税・都市計画税
* 修繕費・リフォーム費用
* 火災保険・地震保険
* 管理費(管理会社に委託する場合)

収入から支出を差し引いた残りが、オーナーの利益(キャッシュフロー)になります。
つまり、単に物件を所有しているだけではなく「いかに効率よく収入を確保し、支出をコントロールするか」が重要なのです。

● オーナーが担う役割

賃貸経営は事業ですから、オーナーには多岐にわたる役割があります。

1.入居者募集

空室が出れば、すぐに入居者を見つけなければなりません。仲介会社に依頼する場合が一般的ですが、自主管理の場合は自分で広告を出したり内見に対応したりすることもあります。

2.契約業務

入居希望者が決まれば、賃貸借契約を結びます。契約書の内容を正しく理解していないと、後にトラブルが発生した際にオーナー側が不利になることもあります。

3.家賃管理

毎月の家賃回収や、滞納があった際の督促業務もオーナーの責任です。自主管理では特に大きな負担となります。

4.トラブル・クレーム対応

「隣の部屋の騒音がうるさい」「水漏れが起きた」など、入居者からの連絡に対応するのもオーナーの仕事です。24時間対応を求められるケースもあります。

5.修繕・メンテナンス

建物や設備の不具合を修繕し、長期的には外壁塗装や屋根補修といった大規模修繕も必要です。維持管理を怠れば入居者離れにつながります。

6.税務申告

賃貸経営から得た収入は「不動産所得」として課税対象になります。確定申告や経費計上の知識は必須です。

● 自主管理と管理委託の違い

オーナー業には「自主管理」と「管理委託」の2つの運営スタイルがあります。

1.自主管理

オーナーが直接すべてを担う方式です。

* メリット:管理委託料がかからず、収益を最大化できる。入居者と直接やりとりできる。
* デメリット:時間的・精神的負担が大きく、トラブル対応や法律知識が必要。

2.管理委託

管理会社に業務を委託する方式です。

* メリット:専門会社が入居者対応を代行するため安心感がある。本業を持ちながらでも賃貸経営が可能。
* デメリット:管理委託料が発生する(家賃の3〜5%程度)。管理会社の質に依存する。

初心者の場合は「まず管理委託で運営し、経験を積みながら自分でできる部分を把握する」という選択肢も有効です。

● 賃貸経営の魅力とリスク

1.魅力

* 毎月安定した家賃収入が得られる
* 団体信用生命保険により、万一の際にローン残債がゼロになる
* 長期的に資産価値の上昇を見込める

2.リスク

* 空室や家賃下落により収益が不安定になる
* 家賃滞納・近隣トラブルの対応が必要
* 修繕費用や大規模工事で大きな出費がある
* 金利上昇や不動産市況の変化による影響

メリットとリスクを両面で理解することが、安定した経営の第一歩です。

● 初心者がつまずきやすいポイント

* 収支計画を甘く見積もる
想定より空室率が高かったり、修繕費がかさんだりして赤字に陥るケースは多いです。

* 契約書の理解不足
原状回復費用や更新条件を曖昧にしてしまい、入居者とのトラブルになる例もあります。

* 税金知識の不足
必要経費を計上できずに税負担が重くなる、青色申告を活用できないなど。

* トラブル対応を軽視
「自分の物件だから自由にできる」と考えてしまうと、借主保護の法律に違反してしまうことがあります。

● オーナーに求められる姿勢

これからオーナー業を始める方に最も大切なのは「経営者意識」です。

* 数字に強くなる(利回り・キャッシュフローを理解する)
* 法律・税務を学ぶ姿勢を持つ
* 長期的に建物を維持し、入居者に快適な環境を提供する
* 自分でできない部分は管理会社や専門家に任せる柔軟さ

● まとめ

賃貸経営は「不労所得」というイメージがありますが、実際にはオーナー業は多面的であり、責任と手間のかかる“事業”です。

* 入居者募集、契約、家賃管理、トラブル対応、修繕、税務申告まで幅広い業務がある
* 自主管理か管理委託かを選ぶ必要がある
* メリットとリスクの両方を理解し、計画的に進めることが大切

これから賃貸経営を始める方は、まず全体像を理解し、自分にとって最適な運営方法を見極めることが成功への第一歩です。

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