防音設備のある個室なので没入感も作れてお客様からとても喜ばれています。【TRPG&マダミスカフェ モノドラコ代表 高橋 千尋 様】
2023.12.122023年11月に、台東区東上野に『TRPG&マダミスカフェ モノドラコ』を移転オープンされた代表の高橋 千尋 様にお話しを伺いました。
移転の経緯を教えてください
神楽坂に店舗があったんですが立地がよかったので賃料も高かったんですね。お店はTRPG(ティーアールピージー)というジャンルで、店長も10年以上の実績がありますし、飲食も一緒にやっていきたいなと思ってキッチンのある店舗にしました。ただ、ちょうどコロナになってしまって、飲食しながらゲームをすることにお客様の抵抗が出てきてしまったんです。
東京都からの要請もあって飲食は休業になったんですが、ゲームをする目的だけでお客様は集まっていたので、方向転換をして流行っていたマーダーミステリーを取り入れていきました。
マーダーミステリーというのは、参加者が殺人事件の登場人物になってそれぞれ役割を持ちます。犯人役は嘘をついて逃げ切る、他のメンバーはお互いに会話や質問をしながら犯人を当てるといった推理小説のようなストーリーを体感できるゲームです。
それがきっかけでお客様が増えて、予約が取れなくなっていきました。そこで隣のレストランだったお店にテナント募集の貼り紙がしてあったので、借りることにしたんです。ありがたいことにその店舗も予約で埋まるようになっていきました。当初の飲食とゲームという目的からは逸れていましたけど、営業形態を変えて2つの場所をひとつにして賃料を下げたかったというのが移転のきっかけです。
2つ借りていた店舗をまとめたいということだったんですね。ところでTRPGというのはどんな人が集まるのですか?
ゲーム自体はもう何十年も前からあるもので、それこそテレビゲームも元々はTRPGを一人でできるようにしたものなんですよ。テーブルロールプレイングからテーブルを取るとRPGになりますよね。当時のTRPGはいわゆる『オタク』がするニッチな分野でしたし、昔は女性もほとんどいなくて、私一人みたいな世界でした(笑)。
その風向きが変わったのがニコニコ動画だと思います。分かりやすく配信している方がいたんですね。そしてインフルエンサーと呼ばれる人も出てきたり、コロナによってオンライン化が急速に進んだこともあり、若い世代にも広がっていきました。最近ではアニメやゲームと同じくらいの感覚でみなさん遊びに来られますね。
テレビゲームより先にあったんですね。どんなお話が人気なんでしょうか。
映画で言うとロードオブザリングやハリーポッターのような世界観や日本だとリングとか、最近ではネットフリックスのストレンジャー・シングスにもTRPGの要素が入っていたりします。
物件探しの話に戻りますが、どんな条件で探し始めたのですか?
広さと立地を中心に見ていきました。私たちのようなお店やルール本が売っているお店が集中している秋葉原も念頭にありました。理想としてはエステの居抜きがあるといいなと思っていました。
ウルクル:30坪以上で賃料の上限も決まっていて、女性のお客様が多いので男女別のトイレがいいという条件もありました。私の担当する物件に問い合わせいただいて内見したんですが折り合わなくて、他の物件の提案もさせていただくことになったんです。
他の不動産会社も利用されましたか?
いくつか問い合わせしていましたが、問い合わせするタイミングでは募集中だった物件も、すぐに成約したりしてなかなか物件がなかったですね。借りていた店舗を解約するタイミングもあったので、「今すぐ契約」を求められると難しかったです。
不動産会社から提案はたくさんありましたか?
私の条件が厳しいからか、皆さん最初は紹介していただけるんですが、次は「ありません」と(笑)。その中でウルクルさんだけは継続的にご提案をいただいてました。
内見はどのくらい行かれたのですか?
ウルクル:5件です。そのうち1件は年配のオーナー様で、神楽坂の店舗も見に来られたんですが、業種への理解が得られなくて申し込みをしたものの流れてしまいました。ちょうどその頃、個室がいいという話もいただいたんです。
神楽坂の店舗は4階建てなので、個室を作るには最適でした。複数フロアの物件にも範囲を広げたところ、この物件が出てきました。
個室がいいというのはどんな課題からですか?
前の店舗でワンフロアに間仕切りで2つのグループを作っていたんですが、Bグループでシリアスな話をしているのにBグループでは大笑いみたいなことが重なるとゲームの世界観が台無しになることもあって(笑)。それを解消するために個室がいいなと思ったんです。
ウルクル:ここは元々ゲストハウスだったんです。なのでちょうどいい広さの部屋がたくさんあって、見た時に高橋さんも店長さんもここしかないねと言ってくださった。あとは店長さんのご自宅から通いやすい場所というのも裏条件であったので(笑)。
営業時間が23時までなので、店長は片付けとスタッフを見届けてから鍵を締めるので、自転車で通える距離だとありがたいなと思ってました(笑)。
契約に至るまでに大変だったことはありますか?
保証会社の審査ですね。以前は賃料が高かったので経費を圧迫していたんです。保証会社の方とはお客様はたくさんいること、賃料を下げれば利益が増える見込があるとお伝えしてご理解いただけたという感じです。
ウルクル:固定費を下げるための移転であることをちゃんと説明しました。
神楽坂から上野だと距離があるので、お客様に影響する懸念があったと思います。
離れると行きにくくなるお客様もいるだろうと思いましたので、最初はお店から5分くらいの場所で探していたんです。物件がなかったこともありますが、上野はアクセスしやすい立地ですし、実際お客様には遠くなった方もいますが近くなった方もいらっしゃって。新幹線も停まるので、アニメやゲームのイベントついでだったり、旅行の途中に立ち寄るという方も来ていただけるようになりました。
上野ならではの新しい客層ができたのですね。契約が終わると次は内装ですが。
前の店舗を作って下さった業者さんにお願いしたので、話は早かったです。私は60年代のミッドセンチュリーやスペースエイジと呼ばれるインテリアが好きなので、そこをテーマに作っていただきました。アンティークは置けないんですが(笑)、昔のモノをリプロダクトしたものを色々置いてます。
オープンまでは順調に店舗作りはできたのですか?
いえ(笑)。職人さんが見つかりにくいようで、部屋は出来たんですが階段とかまだ完成していないところがあります(笑)。
オープンされて、以前の店舗との違いを感じることはありますか?
大きな違いは個室になったことですね。元々はカラオケ店でからゲストハウスになったようなんですけど、防音設備が効いていて、音楽をかけて物語を盛り上げることをするんですが、以前のお店だと音楽をかけると他のグループと音が混ざったり影響があったんですね。それが防音設備のある個室なので没入感も作れてお客様からとても喜ばれています。ただ、防音なのでWifiを通すのが大変だったりします(笑)。
ウルクル:私も先日お客さんとして体験させていただいて、みなさんのウェルカム感が伝わってきてすごく嬉しかったです。ゲームの世界って知ってる人目線で始まるじゃないですか。でも今日は初心者の方がいるからちょっと緩く行きましょうとか、目線をルーキーに合わせてくれる場所ってなかなかないと思うんですよね。
初めての方に対しては、自分たちの仲間になってもらおうとか競技人口を増やそうとか、こちらの世界に引きずり込もうという気持ち(笑)が強いかもしれませんね。
今後の展開があれば教えてください。
オンラインでしかやったことないという若い方も多いので、オフラインでやってみるきっかけになったらとは思います。でもオンラインの環境って多分最高なんです(笑)。好きな時にネットにつなげればすぐできるし、防音だって部屋にいれば周りの音はあまり影響しません。
なのでそれに匹敵するくらいの環境のあるお店でゲームをすることで、今の時代だからこそオフラインの良さを体験していただきたいなと思います。お客様にはかわいいカフェがあるから行こうよくらいの感じで来ていただけたら嬉しいですね。
ウルクルの仕事ぶりはいかがでしたか?
素晴らしかったですよ。本当に満足しています。前のお店を契約した時に、女性ということもあってか結構キツイ感じで言われたんですね。店舗の立ち上げと同時に会社を作ったので、会社としての実績もなかったですし、計画とか資金とか門前払いだったんです。物件さえ紹介してもらえず心が折れたんですよ(笑)。
ウルクルさんは一生懸命に次を探しましょうって親身になって考えてくださった。私はこれまでに色々な不動産会社の方とお会いしてお話ししてきましたが、その中でも最高だと思っています。
<Infomation>
TRPG&マダミスカフェ モノドラコ
東京都台東区東上野2-15-11 ニュー佐藤ビル2F
電話:03-5834-3190
営業時間:11:00~23:00
定休日:月
HP:https://www.monodraco.com/
X:https://twitter.com/monodraco
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