「経験が通用するうちはいい。でも経験が通じなくなった時のために理論がある」これは大学の先生の言葉です。どんな仕事も何年かすれば経験だけである程度できるようになります。しかし、周辺知識や新しい何かを常に学ぶことで仕事の幅は広がり、結果、たくさんの人の役に立てるのだと思います。ありがたいことに私の周りにいる人生の先輩たちはカッコよくて、60代を過ぎても大学院に通ったり自己研鑽しています。いくつになっても学ぶ姿勢を持ち続けたいと思います。
この仕事は本当にたくさんの人に出会えること、顧客と一緒に年齢を重ねていけることが魅力です。一期一会ではなく、ご縁が続いていくことの面白さと難しさを味わえます。面白さで言えば、家を借りたり買ったり事業を興したりする背景には、必ず物語があります。私の仕事はそれを聞かせていただくことでもありますので、十人十色という言葉のように、顧客それぞれの物語がとても興味深く面白いなと思います。一方で難しさで言えば、関係性を保つうえで信頼され続ける仕事をすること。手は抜けないですよね。でも手を抜かない自分を作っていけるのも顧客あってのことなので、そういう意味では、やっぱり顧客がいるということはとてもありがたいなと思います。
27歳の時、『THEトビコミ』会社で働いており、社長は20歳でした。彼は毎日のようにAmazonから届く大量の本をひたすら読んでおり、一体何が面白いんだろうと興味を覚え、1冊借りて読んでみたんです。恥ずかしながらそれまでの私は勉強という勉強をしたことがなく、面白さも意味も知らなかったのですが、その本が人生を変えました。自分の頭の中が映し出されたようなシンパシーを覚え、とても面白かったんです。そこから水を得た魚のような読書生活が始まりました。今は当時ほどではないですが、読書は欠かせない生活の一部となっています。その社長は今、歌舞伎町でホストをやっているんだとか(笑)。