<毎月のキャッシュフロー>
家賃収入 ― (借りている金額の)元本と金利 ― 管理費 ― 修繕費用 = 課税対象の売り上げ
これがプラスで運用できれば理想ですが、トントンでも良いです。月4,000円~5,000円くらいのマイナスであっても、減価償却で所得税及び住民税から控除されるので、年間の運用益がプラスに転じることが多いです。
減価償却は、鉄筋コンクリートマンションは47年ですので、例えば築15年の物件を買った場合、建物金額を32年で減価償却していきます。
<中古マンションを買うメリット>
①節税対策ができる
②生命保険代わりになる
金融機関で融資を組むと、団体信用生命保険(団信)に加入することになります。例えば建物価格2,000万の中古マンションを所有して月々の収支がトントンなら、タダで死亡保障2,000万の生命保険に入っているようなものです。家族に対して、借金のない優良な資産を残すことができるメリットがあります。
これが30歳で2,000万円の死亡保障に入ろうと思ったら、掛け捨てで、月々2,000円~3,000円くらいの保険料が必要になるでしょう。また、2,000万円の積み立てで、60歳払い済みの生命保険に入ろうとすると、月々3万円~4万円くらいかかります。
<少ないキャッシュで投資ができる>
不動産投資にはある程度のキャッシュが必要です。まず、住宅ローンと投資ローンの違いを理解しなくてはなりません。
<住宅ローン>
住宅ローンは、人に対して担保を置いているので、物件価格及び諸費用など満額に対して低金利で貸し出しをしてくれるのが最大のメリットです。ただし、あくまで自宅用としてローンを組むことになります。現在の住宅ローンは、変動金利で0.4%前後の低金利です。
<投資ローン>
それに対して、投資用ローンは1.8%~2.5%程度。借り入れ年数は最大35年で、例えば物件価格が2,000万とすると、融資額は約8割の1,600万円程度になり、残り400万はキャッシュが必要になります。
更に諸費用諸々(仲介手数料、登記費用、所有権移転費用、抵当権設定費用、司法書士への手数料、火災保険、収入印紙代など)含めて150万円ほどが必要です。
2,000万のマンションを購入する際には、頭金400万と諸費用150万円で、約550万円のキャッシュが必要になります。1,600万の借り入れに対する運用なので、優良な運用として、毎月のキャッシュフローはいい利回りが出ます。それが一般的な不動産投資です。
それに対して、1Rマンション投資は、販売会社と金融機関の提携ローンで、売買金額のほぼ100%の融資が組めることが多いようです。中には諸費用分をキャッシュバックすることによって、手出し金額が10万円で済んだというケースもあります。
メリットは、キャッシュを出さずに生命保険代わりになる団信に入れる、節税効果がある、資産が形成されること。
ただ、その分諸費用が乗っていますので、物件価格が多少高くなっています。それでも投資金額に対する利回りという考え方をすれば、非常にパフォーマンスがいいです。
不動産の投資をしたいけれど、あまりキャッシュを持ち出したくないという人にとって、1Rマンション投資はとても合理的な投資方法だと言えます。
<1R投資マンションの問題>
1R投資マンションには、問題が2つあると思いますが、まずは『よくわからないこと』、それから『営業マンの印象が悪い』ということです。
①よくわからない
突き詰めて調べていけば、節税や資産形成ができるのでやらない理由はないのですが、買う人が理解できるところまで情報が行き届いていないので、なんだかよくわからず、「やっぱりやめておこう…」となっているように思います。
②営業マンの印象が悪い…
営業マンはマンションを売ることが目的なので、もちろん顧客のメリットも伝えてはいますが、本質的には自分の歩合や自社利益を得るためにテレアポや時間構わずガツガツ営業して押してきます。
消費者としては、買わされそうになると抵抗があると思います。1R投資マンションが悪なのではなく、この営業なら信用できるという担保がないから、買うのを避けている人が多いように思います。
<1Rマンションのリスク>
買ったはいいが、入居者が永続的につくかどうか。資産価値が高い土地=人気のあるエリアなのですが、買いたい人が多いか、住みたい人が多いかでしかありません。
例えば、郊外の都市開発の予定もない場所に高い金額でマンションを買うのは、投資的視点ではお勧めしません。
買ってローンを払うけれど入居者が決まらない。
そうなると、家賃が入らず毎月数万円のマイナスが続くことになります。キャッシュに余裕があればいいですが、そうでないなら大変なことになります。
更に売ろうと思っても、買った時から支払った額を差し引いた残債を下回る金額でしか売れないとしたら、当然損をします。
そうならないためには、信頼できるパートナーを見つけることです。仮に購入2年~5年後に、売却しようとしたらいくらで売れるのかシミュレーションすることです。
もちろん経済情勢により変わりますが、今の景況が続いたとして、5年後を見立てることはとても大事なことです。その時のローン残高を考えた時に、リセールしたときのバリュー、それまでに得た減価償却での節税効果を理解したうえで、ちゃんと納得して買うのはいいと思いますが、よくわからない、なんとなくで始めるのはリスクです。
一番悲惨なのは、サブリースを組んで、そのサブリース会社が倒産してしまうこと。サブリースを組むということは、会社もリスクを負います。入居者がつかなくなってしまったら、賃料の減額を求められます。減額すると、毎月の運用がマイナス5,000円だったのが、マイナス1万とかそれ以上になり持ち出しが増えます。そして建物が古くなっていけば、賃料が上がっていくことは考えにくいので、どんどんマイナスが膨らむことになります。
そういう物件を選んでしまうと悲惨なので、信頼できるパートナーに適正価格でいい物件を提案してもらうことが大事なポイントです。
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