居抜き物件とスケルトン物件、それぞれメリット・デメリットが異なるため、どちらを選ぶべきかは状況によって異なります。
居抜き物件とは、前テナントが使用していた設備や内装がそのまま残っている物件です。
・初期費用を抑えられる
前のテナントが残した設備や内装をそのまま利用できるため、造作や設備にかかる費用が少なく済みます。スケルトン物件に比べて、数十パーセントから半額程度まで初期費用を抑えることができます。
・開店までの時間を短縮できる
内装工事が不要なため、スケルトン物件に比べて早く開店することができます。特に、繁忙期にオープンしたい場合などに有効です。
・業態によっては必要な設備が揃っている
厨房や什器などが残っている場合があり、業態によってはそのまま利用できます。特に、飲食店の場合、厨房設備は新規に導入すると数十万円から数百万円かかるため、大きなコスト削減となります。
・近隣の認知度が高い
前のテナントが同じ業態で営業していた場合、すでに一定の顧客基盤がある可能性があります。新規に店舗を構えるよりも集客しやすいというメリットがあります。
・レイアウト変更が難しい
前のテナントのレイアウトが残っているため、大幅なレイアウト変更は難しい場合があります。居抜き物件を選ぶ場合は、希望に合ったレイアウトの物件を選ぶことが重要です。
・設備が古かったり、壊れていたりする
前のテナントが使っていた設備が古かったり、壊れていたりする場合があります。そのような場合は、修繕や交換が必要となり、追加費用が発生する可能性があります。
・居抜き料(造作譲渡費用)がかかる
造作や設備を譲り受けるため、居抜き料と呼ばれる費用がかかります。居抜き料は、物件や業態によって異なりますが、一般的には月額賃料の1~3ヶ月分程度です。
・前のテナントの評判
前のテナントが閉店した原因が、立地や業態などではなく、店に対する評判が悪い場合、客足が遠のく可能性があります。
スケルトン物件とは、内装や設備がすべて取り払われ、建物の骨組みだけになった物件です。
・自由度の高い設計が可能
内装や設備を自由に設計できるため、理想の空間を作り上げることができます。居抜き物件では難しい、大幅なレイアウト変更なども可能です。
・最新の設備を導入できる
自分の希望に合った、最新の設備を導入することができます。省エネ効果の高い設備や、顧客満足度を高める設備などを導入することで、差別化を図ることができます。
・設備のメンテナンスがしやすい
新しい設備を導入するため、故障や老朽化のリスクが少なく、メンテナンスがしやすいというメリットがあります。また、設備の履歴が明確なため、トラブルが発生した場合の原因究明も容易です。
・ブランドイメージを構築しやすい
居抜き物件とは異なり、最初から自社のブランドイメージに合致した空間を構築することができます。新規顧客獲得や顧客満足度向上に効果が期待できます。
・初期費用が高額になる
内装や設備をすべて新しく設置する必要があるため、初期費用が高額になります。居抜き物件に比べて、2倍から3倍程度費用がかかる場合もあります。
・開店までの時間がかかる
内装工事に時間がかかるため、開店までに時間がかかります。特に、繁忙期にオープンしたい場合などは、スケジュールの調整が難しくなる可能性があります。
・必要な設備をすべて揃える必要がある
厨房や什器など、必要な設備をすべて揃える必要があります。業態によっては、数千万円から数億円の費用がかかる場合もあります。
以下、それぞれの物件タイプに適しているケースをまとめましたので、参考にしてください。
・初期費用を抑えたい
・早く開店したい
・業態によっては必要な設備が揃っている
・近隣の認知度が高い場所を選びたい
・自由度の高い設計や最新の設備を求める
・ブランドイメージを重視したい
・長期的な視点で店舗経営を考えている
・設備のメンテナンスにこだわりたい
居抜き物件とスケルトン物件は、それぞれメリットとデメリットがあります。
ご自身の希望や条件、そして業種や予算などを総合的に判断し、最適な物件を選びましょう。