事業賃貸

BUSINESS RENTAL

定期借家のトラブルを防ぐ 初回契約で確認したい『再契約3つのポイント』

都内では昨今、商業テナントや事務所の「定期借家契約」がトレンドになっています。借主にとって、事業をする上では投資回収期間があり、それを上回って物件が利用できないと収益がマイナスになりますし、再契約のたびに賃料が上がるのではないかといった不安が生まれるのは当然のことです。

再契約時のトラブルを防ぐために、初回契約時に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。

1.賃料条件は必ずしも同一ではない

普通借家契約の場合、契約期間満了になれば「更新」になり、従前の賃料を引き継ぐことが多いですが、定期借家契約においては契約期間満了で契約が終わります。そのため「更新」はなく、「再契約」として新規の契約になります。これを「再契約」と呼ぶわけですが、賃料条件等は白紙から再度設定するため、貸主によっては条件改定が行われます。30万円で借りていた物件を33万円で、といったことが起こりえるのです。これは契約形態上仕方ないことですが、最初の契約時に貸主の意向を確認し、その内容はメール等の文面で残しておくことが大切です。

また、事業用物件は貸主が変わることも多くあります。以前の貸主と約束をしていたとしても、再契約となれば新条件の設定となりますので、賃料改定に異議を唱えることは難しいと知っておいてください。

2.礼金や仲介手数料が必要か

普通借家契約の「更新」であれば、新賃料1ヶ月分の「更新料」やプラス0.25ヶ月の「契約事務手数料」が更新時に必要な費用となっているケースが多いのですが、定期借家契約の場合、礼金や仲介手数料が再度かかるケースもあります。例えば初回の契約時に礼金が2ヶ月だった場合は、再契約時にも礼金2ヶ月必要だったり、それに加えて仲介手数料も1ヶ月必要というケースもあります。そうなると再契約に3ヶ月分かかることになり、トータル4年で見ると普通借家のちょっと割高の別物件を借りた方がトータルコスト的には安く済んだ・・・ということも起こるのです。これも仲介会社にしっかり確認しておきましょう。

3.償却のタイミング

商業用テナントや事務所は「償却」が設定されることが多くあります。償却とは礼金と似た性質のもので、契約書に原状回復費用に充てるといった記載がない限り、戻ってこないお金です。定期借家契約においては、「償却」がどのタイミングで行われるのかを確認しておく必要があります。契約期間ごとの償却なのか、再契約した場合は償却されないのか。もし前者だとするなら大きな費用負担になります。

一覧へ戻る